AIMは今? 宮崎先生のお話を聞いてきた
投稿者 :KobayashiMay on

宮崎先生のAIMのお話を聞いてきた!
2月21日に東京ビッグサイトで開催された「Lovelyニャンフェスタ」に行ってきました。
大きな目的の一つは「宮崎先生の講演会」が実施されるので、お話をナマの声で直接聞いてくること。
2021年に「猫が30歳まで生きる日」という宮崎先生の本が出版されてから、私を含め、AIMの実用化を心待ちにしている飼い主さんも多いことと思います。
さて、AIMの薬ですが、現段階で治験は終了し、予想通りの結果が出て、4月に農水省に承認申請をするとのことです。
申請の進み具合にもよりますが、承認目標は遅くとも2027年3月までにはと考えていらっしゃり、承認の書類を完璧にしたいとのお話でした。
腎臓病ってこんな病気 by宮崎先生
AIMを理解してもらうために、まずはCKD(慢性腎臓病)ってどんな性質の病気なのか知って欲しいという宮崎先生のご意向で、スライドを使ったレクチャー形式の講演となりました。
医学の門外漢にも分かりやすいお話で、猫の慢性腎臓病ってこういうことなのね!というポイントがしっかり理解できた気がします。
今回、宮崎先生は腎臓病を「山火事」になぞらえて説明してくださいました。

↑宮崎先生が用意されていた画像とは違いますが(当日の公演は録画録音禁止だったので)、山火事になぞらえた腎臓病の理解のご参考に
①山火事で焼けて黒く燃え尽きてしまった部分=腎臓機能が失われてしまった部分
②今まさに赤々と燃えている火=炎症が生きている部分
③火の周辺の半分茶色く変化した部分=機能は残っているけれど炎症のため弱って働けなくなっている部分
④まだ火が到達していない緑の部分=腎臓機能がまだ正常に働いている部分
火が消えずに燃え続けるためには燃料が必要ですね。
では、火が燃え続けるための火種となるもの、つまり炎症を継続させる要因とは何でしょう?
腎臓病の場合、炎症に力を貸す火種は、自分の体から出る「ゴミ」なのだそうです。
体が作り出す「ゴミ」って?
炎症を促進する火種となる」「ゴミ」とは?
宮崎先生が一例として挙げていたものはこんなものでした。
①尿素窒素(BUN)
②クレアチニン
③AGEs(DAMPs終末糖化産物)
④DAMPs
腎臓の数値として有名な
⚫️尿素窒素(BUN)→タンパク質が代謝された後の老廃物です。
⚫️クレアチニン →筋肉を動かした際に出る老廃物です。
なども「ゴミ」として炎症引き起こします、
⚫️AGEs(終末糖化産物) というのは、体内のタンパク質と余分な糖が結びついて劣化・変性したゴミです。猫は特に排泄が難しいと言われます。
⚫️DAMPsというのは壊れた細胞がまき散らす残骸のことで、元々は健康な細胞に必要な物質ですが、尿毒症物質などの攻撃で細胞が壊れ、本来あるべき場所(細胞内)から外にこぼれ落ちることで、周囲の免疫細胞を刺激し、二次的な炎症(無菌性炎症)を引き起こす「新たなゴミ」として働いてしまいます。
猫のAIMはちょっと特殊?

↑ヒトとネコのAIMの違い「猫が30歳まで生きる日」の中の図表より
AIMは猫が苦しんで死んでしまうことを防ぐためのワクチンの様なものと考えると良いそうです。
山火事で火を消したからといって、再生するのは難しいのと同じで、AIMは一度壊れた腎臓を元通りにすると言うより、残っている機能を十分に活躍させてあげることの様です。
上がってしまったクレアチンやBUNの値が、下がらないからといって過度に心配しなくても大丈夫とのことでした。
ここまでの数値になっても元気になる?
治験が行われた症例の説明がありましたが、クレアチニンの数値が3-4、IRISのステージが3から4に移行する状況でAIMを投与するのが有効だったとのこと。
※腎臓の数値に関しては、以前の記事「犬猫の腎臓ケア これだけは知っておきたい数値の話」で、クレアチニン、BUN、SDMAの数値と腎臓機能の喪失の相関関係について、
「Gingerの血液検査の数値を読み解いてみた」で、SDMAやSAAの数値など血液検査で調べられる数値をご確認くださいね!
特に末期の猫さんで、
クレアチニンが10.5、SDMAが66、SAAが128.5
という症例のお話がありました。
この猫さんは、AIM投与の1週間後にはクレアチニン7.0、SDMAが55、SAAが1.7に変化して、立っているのがやっとだったのが、元気にご飯を食べ始めたそうです。
先のお話でにもあったように、クレアチニンは既に死んでしまったものの数値と考えられるので、完全に下がらなくてもOKで、SAAの炎症の数値が下がった(山火事の火が消火された)のがが大切と言うことの様ですね。
貧血などの合併症のコントロールをうまくしていくことが必要ですが、ここまで数値が悪化した場合でも、希望があることを示してくれています。
CKDになる前に、ならない工夫がしたい!
確かにAIM薬は心強い腎臓病のお薬ですが、毎日の暮らしの中で、私達猫の飼い主が、可愛い猫様のためにできることだってあるはずです。
腎臓機能が失われてしまう前に、CKDになりにくい生活ができたらいいですよね。
どんな食事を食べさせたら良いか、どうしたら水分補給ができるかなど、今度も引き続き考えていきたいと思います。

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