AIMって何ですか?

投稿者 :KobayashiMay on

そもそも「AIM」って何?

AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)とは、人間や猫をはじめとする多くの動物の血液中に存在している「タンパク質」の一種です。

簡単に言うと、体の中の「優秀なお掃除の司令塔」のような役割を持っています。

体内で死んでしまった細胞や、溜まってしまった不要なタンパク質などの「ゴミ」を見つけると、そこにピタッとくっついて「ここにゴミがあるよ!お掃除して!」と目印(タグ)をつけます。

すると、マクロファージと呼ばれる「お掃除細胞」がやってきて、そのゴミを綺麗に食べて片付けてくれるのです。

なぜ猫は腎臓病(CKD)になりやすいの?

猫は高齢になると、実に3割〜半数以上が慢性腎臓病になると言われています。
長年その理由は謎でしたが、東京大学の宮崎徹教授らの研究によって、「猫のAIMの仕組み」に原因があることが分かりました。

実は、猫も体内にAIMを持っています。しかし、人間と違い、猫のAIMは「常に居眠り状態」になってしまっているのです。

①お掃除係が出動できない

猫のAIMは、血液中の別の大きなタンパク質(IgM)とガッチリくっついて離れないという遺伝的な特徴を持っています。
そのため、体内で異常が起きて「お掃除が必要だ!」という時になっても、単独で働きに出ることができません。

②腎臓にゴミが詰まってしまう

腎臓には「尿細管(にょうさいかん)」という、おしっこを作るための極細のパイプがたくさんあります。
猫が軽い急性腎不全などを起こしてこのパイプにゴミ(死んだ細胞など)が詰まっても、AIMが働かないためゴミが放置されてしまいます。

③腎臓の細胞が壊れていく

ゴミが詰まってパイプが塞がると、その部分の腎臓の細胞は死んでしまい、二度と元に戻りません。
これが年齢とともに繰り返されることで、気づかないうちに慢性腎臓病(CKD)が進行してしまうのです。

AIMは慢性腎臓病にどんな働きをするの?

「猫自身のAIMが働かないのであれば、ちゃんと働く状態のAIMを外から補ってあげればいいのではないか?」というのが、現在進められているAIM創薬の考え方です。

活性化した(きちんと働く)AIMを猫に投与すると、腎臓で次のような素晴らしい働きをしてくれます。

パイプの詰まり(ゴミ)をマーキングする

投与されたAIMが、腎臓の尿細管に詰まったゴミの塊にピタッとくっつきます。
これにより、ここに掃除が必要なゴミがあることを知らせます。

お掃除細胞を呼び寄せる

AIMがマーキングした目印に気づいたマクロファージ(お掃除細胞)がやってきて、詰まっていたゴミをバクバクと食べて綺麗にしてくれます。

腎臓の機能低下を食い止める

パイプの詰まりが解消されることで、腎臓の細胞が壊れるのを防ぎ、腎臓病の進行を抑えたり、場合によっては機能が改善したりすることが期待されています。

猫が腎臓病になりやすいのは、「体内のゴミを掃除するAIMというタンパク質が、生まれつきうまく働かないから」です。

現在、このAIMを利用した猫用の治療薬の開発が懸命に進められており、多くの猫と飼い主さんにとっての大きな希望の光となっています。

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